【バンコク新聞に掲載していただきました】
スープカレー事業への苦労や想いを掲載していただきました。
【スパイス調合こそ奥義】
在留邦人の居住者も多い都内スクムウィット通りソイ18にある「トンロー横丁」の一角に店を構えるのは「北海道スープカレー屋」オーナーの石崎 圭介さん(39)だ。北海道札幌市出身。バンコクでスープカレー屋を営む傍ら、郷里の札幌市では水産物の卸売会社も経営している。
「北海道の『ソウルフード』とも言えるスープカレーをぜひ広めたい」。
石崎さんが30歳で水産物の卸売の会社を立ち上げたとき以来持ち続けてきた夢だった。ちょうどその約3年前のタイ旅行の際、バンコクにはまだスープカレー屋が一軒もなかったことから開店を決意した。
準備期間に充てた約1年はタイの水が極意のスパイスと全く合わないことに苦労したという。石崎さんによると、日本にも200から300店ほどスープカレーの店があるというが、どの店1つとして同じ味の店がないくらい、使用するスパイスの調合によって独自の味を創り出すことができるのがスープカレーの特徴の一つだという。それほどスパイスの調合はスープカレーの味の決め手だ。スパイスと水の調合、配分を何度も繰り返し、試行錯誤した。
スパイスの増量または減量を重ね、ついに出来上がった20種類のスパイスを調合したスープカレーは広告や宣伝を全くしていないのに、駐在員夫人などの口コミで広がり、トンローでも人気店の一つになった。
「お店に来てくださるほとんどのお客さんがご飯もスープも全部空っぽにしてくれる。それが何よりの喜び」と石崎さんは笑顔で話す。チキンと野菜のスープカレーが一番人気の商品だが、タイにいる地の利を生かしてココナッツスープカレーも編み出し、これもお薦めメニューの1つだ。
開店してまだ半年だが、ベトナムのホーチミンに今年6月に2号店開設を予定し、東京の新橋にある店にはスパイスを卸している。北海道のソウルフードを広めるという石崎さんのモットーは国境を越えて広がりを見せている。